研究・教育

「無限ならばデデキント無限」から有限集合に対する可算選択公理を導く

前置き window.twttr = (function(d, s, id) { var js, fjs = d.getElementsByTagName(s)[0], t = window.twttr || {}; if (d.getElementById(id)) return t; js = d.createElement(s); js.id = id; js.src = "https://platform.twitter.com/widgets.js"; fj…

数学博物館 in ギーセン(ドイツ)に行ってきた

しばらく前の話ですが、出張でドイツのギーセン(Gießen)市を訪れた際、現地にある数学博物館(名称:mathematikum)に行ってきました。面白かったので少々感想などを書きます。 mathematikumはギーセンの中心駅から歩いてすぐの所にありまして、わりと探し…

メモ:選択公理抜きで線型写像をどれだけ自在に選べるか

以下の会話(抜粋)に関連してメモ。 window.twttr = (function(d, s, id) { var js, fjs = d.getElementsByTagName(s)[0], t = window.twttr || {}; if (d.getElementById(id)) return t; js = d.createElement(s); js.id = id; js.src = "https://platform…

科研費が校費(運営費交付金)の代わりにはならないと思う理由二つ

今更、ではありますが、考えの整理も兼ねて。 第一に、学生用の研究室運営(パソコン・書籍含む備品類、学会旅費、などなど)に使うことが難しいということです。 科研費は研究のための資金であって教育のための資金ではありませんし、そもそも申請した研究…

過ちては則ち改むるに憚ること勿れ

理化学研究所の小保方晴子研究ユニットリーダーの博士論文に対する問題点を調べた早稲田大の調査委員会は17日(引用時省略)「学位取り消しの規定には当てはまらない」とする報告書を公表した。(引用時省略)「論文の審査に重大な欠陥や不備がなければ、…

研究業績評価について色々

日本数学会理事会による「数学の研究業績評価についての提言(案)」というPDFファイルが数日前に話題になっていた。異なる研究分野の研究者の業績、特に数学分野と他分野のそれを数値データで単純比較することの問題点を指摘する内容である。 詳細はリンク…

備忘録:「第5回関西すうがく徒のつどい」明日から講演申込受付だそうです

題名の通りです。詳しくはこちらをどうぞ。

「大学入試の数学で高校で習っていないことを使うと減点されるか?」問題

大学入試の数学で高校で習っていないことを使うと減点されるか? - Togetterを読んで。まともな大学教員ならそんなことで直ちに減点などしないだろう*1と思いつつも、受験生の側がまともじゃない採点者に遭遇する懸念を完全に払拭できないだろうということも…

「偶数と偶数の和は偶数であることの説明」について

偶数と偶数の和は偶数であることの説明 - 紙屋研究所という記事を読んで。 ぼくが参加しているのは、基本は小中学校生の「宿題をやる会」みたいな感じで、そこでごく数名が講師にわからない点を聞いているみたいな風景。(引用時略)その子は次の問題を「わ…

二項演算を持つ集合が群になる条件

某所で話題になっていた件についての備忘録です。 命題 空でない集合Gに結合法則を満たす二項演算Bが与えられている(以下、B(x,y)をxyと略記)とき、以下の2条件 (1)Gの任意の元 x について、写像 Lx:G → G, Lx(y)=xy は全単射 (2)Gの任意の元 x に…

「美しい数式」の話、続編

以前書いた記事(『「美しい数式」の話』)で紹介した等式 1/9801 . = 0.00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 …

論文アクセプト

同僚の物理屋さんと書いていた共著論文が物理方面の論文誌にアクセプトされました。これで、数学、情報科学、物理と3分野の論文誌に名前が載ることになります。 院生時代の私はどちらかといえば守備範囲が狭かったので、こんな色々な分野の論文を書くことに…

「英語で発信する数理科学者たち」への一つのツッコミ

「英語で発信する数理科学者たち」という論文を読んで。 論文の本論であるところの、「日本の数理科学者は英語だけじゃなくもっと日本語で研究を紹介する文章を書くべき」という主張には大いに同意します。その上で、本論と直接関係はしないかもしれないもの…

1998年東大入試後期日程、数学問3(2)の件

1998年の東大入試後期日程の数学で出題された問題(問3の小問(2))がとんでもない難度だと某所で話題になっていたので、ちょっと眺めてみました。 件の問題に関するまとめサイト: http://2r.ldblog.jp/archives/2927641.html 問題はこちら(河合塾のサ…

パンが無ければ、パン工場を造ればいいじゃない with canon

大学院が育てるべきは研究者か、技術者か、その両方か - 発声練習経由でキャノン株式会社の新卒採用活動及び大学院教育に関する見解について:文部科学省を読んで*1。 標題の件につきまして、弊社の新卒採用活動における人材要件及び大学院教育における人材…

三角比から連想する、ホールケーキを目分量で三等分する方法

某所で要望があったので説明を書いてみます。 以下、ホールケーキは完全な円形と仮定します。(実際のホールケーキは恐らく多少歪んだ円形でしょうが、どのみち目分量での作業ですので多少の歪みは気にしないことにします。) 1.ホールケーキの中心(点O…

「「攻め」と「守り」に分かれて 数学者は、暗号開発最前線にいる」(朝日新聞グローブ)

http://www.globe.asahi.com/feature/100201/02_1.html あとで読む。あとで何か書く、かもしれない。とりあえずメモ。

大学入試センター試験の科目「情報関係基礎」が色々と興味深い件

先日の大学入試センター試験の数学で何か面白い問題でも出たかなぁと思って問題速報を見てみたら、「情報関係基礎」という科目を見つけました(問題用紙へのリンク)。私が受験生だった頃にはなかった科目なのですが、中身を見てみると興味深い問題が多かっ…

「暗号及び情報セキュリティと数学の相関ワークショップ」のお知らせ

今度の2月24日(水)に「暗号及び情報セキュリティと数学の相関ワークショップ」という催しを企んでいますので、こちらでもお知らせしておきます。内容はサーベイ講演とポスターセッションの2本立てです。 サーベイ講演では主に数学分野の方向けとして、暗号…

第29回シュプリンガー数学コンテストU21

某所で第29回シュプリンガー数学コンテストU21 開催のお知らせというのを見かけたのでお知らせしておきます。 「日本全国 20 歳以下の青少年を対象」ということなので、ぎりぎり0x20歳以下なid:MarriageTheoremもリンク先の問題を眺めてみました。 問題1は…

「仕事ない「博士号」さん、高校教員になりませんか」(読売新聞)

仕事ない「博士号」さん、高校教員になりませんか 博士号を取得しながら、定職に就けない「ポストドクター(ポスドク)」が急増するなか、大阪府教委と大阪教育大は、来年度から京都大大学院理学研究科のポスドクらのうち、教員を目指す人を対象に、高校の理…

とあるブログ記事への反応(その1)

「異分野の成果があなたの分野の発展に役立った事例はありますか?」というブログ記事にて、科学の基礎研究の必要性・重要性を訴えるための一つの方策として、ある分野の基礎研究成果が後に他の分野の(思いもよらない)発展の礎となった事例が募集されてい…

「科学研究費補助金の一部の執行停止に対する反対署名」の募集が再開された模様

昨日の「事業仕分け」における科研費の仕分け結果を受け、先日ご紹介しました「科学研究費補助金の一部の執行停止に対する反対署名」が募集を再開した模様です。 現時点で募集期限が「2009年11月14日」となっているのですが、昨日見た際には「2009年11月13日…

数学セミナー12月号

数学セミナー 2009年 12月号 [雑誌]出版社/メーカー: 日本評論社発売日: 2009/11/12メディア: 雑誌購入: 4人 クリック: 47回この商品を含むブログ (2件) を見る某コーナーに原稿を寄せた関係で発売日より1日早く入手できました。 12月号の特集は「計算量の…

「科学研究費補助金の一部の執行停止に対する反対署名」のご紹介

以前の記事でも取り上げました科学研究費補助金(科研費)の一部種目の執行停止の件で、反対署名を集めている方がおられます。 科学研究費補助金の一部の執行停止に対する反対署名( http://www.shomei.tv/project-1343.html ) 署名の趣旨説明と署名文を抜…

学問における多様性の価値

その筋の方は既にご存知かもしれませんが、現在公募中の科研費のうち「新学術領域研究(研究課題提案型)」と「若手研究(S)」の2種目について、概算要求の見直しに伴い平成22年度分の新規募集の停止が発表されました。(文科省のサイトの当該記事) で…

赤い発表者

某国際会議に投稿した論文が3編アクセプトされました。その結果、その会議の一般講演者の少なくとも23%をはてなダイアリー市民が占めるという何だかよくわからない状態になっています。 で、そこまではよいのですが、発表件数が3件あるとProceedings原…

出張ミニレポ:サンフランシスコ→札幌→稚内

今回は合計2週間以上と長い出張でした。とりあえず生存確認代わりに。 サンフランシスコ 小さめのハンバーガーを注文したらつけ合わせに膨大な量のフライドポテトがついてきたり、「ちょっと胃の調子が悪いから注文は少なめにしよう・・・あ、暖かいスープ…

「応用されない学問こそ王道」という意見について

どこだったか忘れましたが、某所で「学問は応用がないようなものこそ王道、応用があるようなものは傍流」といった趣旨の発言を見かけて気になったので一言。 数学における有名な未解決問題にリーマン予想があります。所謂「百万ドル問題」(クレイ数学研究所…

大学と、「先生」ではなく「先輩」からの学び

学生は教授の研究のために授業料を払っているわけではないという記事(より正確には、そこで引用されている新聞記事)を読んで。 あまり長々と書いている時間がないので手短に書きますが、大学を出て働くようになった後、仕事のやり方を指導してくれる周囲の…