分数の割り算とお釣りの計算

「分数の割り算は、分子分母をひっくり返して掛け算する」というアレの話ですが、例えば$\frac{923}{1000}$(1000分の923)で割るときに分子分母をひっくり返す、というのは($\frac{a}{b}$は「a割るb」のこと、を踏まえて)

÷ ( 923 ÷ 1000 ) と 1000 ÷ 923 が同じ (*)

ということです。


ところで、出前に来た店員さんなどが電卓でお釣りの計算をする際によく使われるテクニック(先日も目にしました)に、例えば923円の商品の代金を1000円で支払われた際(1000 - 923 = 77円のお釣り)に

  1. 予め923を入力しておく
  2. 支払いのお金1000円を渡された際に「引く1000」を入力して計算する(この時点で-77が表示される)
  3. 頭の「-」を無視する

として計算する、というものがあります。最後の「頭の「-」を無視する」というのは-1倍するのと同じなので、この計算テクニックはつまり

- ( 923 - 1000 ) と 1000 - 923 が同じ  (**)

ということです。


(**)の「-」を「÷」に置き換えると(*)が得られます。これは単なる偶然ではなく、実は両者は同じ仕組みに基づいています。