うわ、何それ・・・

以下は、私がとったメモから発言内容をまとめたものであり、発言者の趣旨を正確に再現できていない部分があるかもしれない。
(中略)
グーグル(藤田一夫オブザーバー)

大変ありがとうございました。事務局の資料はすばらしい内容で、ぜひ実行して頂きたい。民民でやれることは積極的にやっていきたいが、民で解決できないことは、行政からの力とお知恵をお借りせざるを得ない状況である。ユーザが自由に選べるような環境作りをして頂きたい。
最後にプライバシーについて。確かに問題があるかもしれないが、日本のプライバシーに対する感覚は、アメリカ、イギリスとでは違うのではないか。日本では、マンションとかはまた違うかもしれないが、一戸建てでは名前を表札に書いている。名前まで。わざわざ自分の名前を公道に出しているわけだから、プライバシーなんて気にしていない。(会場苦笑。)それが、ネットの世界でだけ気にするというのはうーんどうかなと思う。(会場冷笑。)これは最近のフィルタリングのことを彷彿させる。有害情報、有害情報と声高に言われるが、たしかにそういうところもあるが、人によって有害無害と価値観が違うのだから、一人の学者さん、偉い学者さんの倫理観で縛るというやり方というのは、いかがなものかなと考えている

高木浩光@自宅の日記 - 通信プラットフォーム研究会 傍聴録 (Google社の発言あり)

(強調は引用者による)

8月7日に開催された総務省の通信プラットフォーム研究会第6回会合で、オブザーバーとして参加するグーグル株式会社ポリシー・カウンセルの藤田一夫氏が、日本人のプライバシー感に対する感想を述べていました。
(中略)
会合の討論も終盤にさしかかったタイミングで、藤田氏は、次のような感想を述べました。
・個人情報に対する感覚が米国・英国人と日本人では大きく異なるように感じる。
・たとえば、英国などでは一戸建て住宅の場合、氏名を表札に明記していない場合が多い。
・高級住宅街などに行くとセキュリティーに配慮して、ファミリーネームではなく「Rose」「Wisteria」などと花の名前を表札につけている場合が多い。
・知らない人からすると、誰が住んでいるかはわからないが、地元の郵便局などはそこに誰が住んでいるかわかる仕組みになっている。

・日本では、わざわざ自分の名前を表札にして公道に表示している。
・そんなに、プライバシーを気にするのであれば、表札を公道に出すのはおかしい。
・その一方でネットの世界に入ると、声高に「個人情報」だとかプライバシーを言うのは、理解できない。

といった意見です。

http://blog.smatch.jp/yamasaki/archive/502

(強調は引用者による)


何というか、一戸建てと比べて集合住宅では表札を掲げていない場合も多い現状*1を知らずにこんなことを自信満々に語っているのであればそれ自体問題ですし、仮に現状を知っていて「表札を掲げている人たちとネット等でプライバシー保護を叫んでいる人たちは別人かもしれない」という可能性や「表札を掲げていない側の人たちだけでも相当な(無視できないほどの)人数に上る」という事実にすら思い至れないのであればさらにひどいです*2
Street viewの一件がなぜ騒ぎになっているのか言葉でなく心で理解できましたので、とりあえず手軽にできる行動として、Firefoxの検索窓のデフォルトエンジンをGoogleじゃないものに変更しました。今後は極力Googleのサービスは利用しないことにします。Google scholarを使えないのは地味に痛いですがこの際仕方ありません。


ところで、ネット界隈でStreet view避けのネタイデアが色々提案されていますが、家の塀やら窓やらにヤバい模様*3を掲げておいたらGoogle側で勝手に削除処理してくれたりするんですかね。
もしくは、どうやらGoogleの撮影車は塀の内部を覗き込める程度に高い位置から撮影することもあるみたいなので、Street viewには写るけれども普通に道を通る人からは見えない私有地の一角に某ネズミさんなど権利関係に厳格な企業の著作物ないし商標を私的複製しておいて、それがStreet viewにアップされたらその企業にタレこんでみたりするとどんなことが起こるんでしょうか。

*1:まあ、私も統計を取った上で言っているわけではないですが、少なくとも私の自宅周辺は表札つきの一戸建てがそれなりにある地域にもかかわらず、私の住んでいる集合住宅では表札つきの部屋の方が稀です

*2:思い至った上でなおそう言い放ったのならもうどうしようもない

*3:こちらのダメージは少ないがGoogle的には苦々しい、という点ではライバル企業のロゴあたりが適切でしょうか