いや、問題はそこではなくて

新入生ネタの時期だから、私も新入生ネタ書きたいなぁと思って書いた新大学院生のためのビール講座がみなさまのお役にたててうれしい。でも、このエントリーが飲み会嫌いな人に嫌な気分を与えているようで残念。
(中略)
以上のように考えたので自分は以下のように振る舞う方向で頑張る。

  • 誘う側
    • 断られても気分を害さない。断られたのイベントであって自分ではないと認識する(誤認識でもそう考える)。
    • 本当に参加して欲しいイベントに関してはその旨をちゃんと伝える(裏読みコストを下げるため)
  • 誘われる側
    • できる限り「誘ってくれたこと」自体に感謝の意を示すよう心がける
    • 参加したくないイベントに関してははっきりと「参加しない」ということを伝える(あいまいな態度をしない)
気軽に誘って気軽に断れる雰囲気が重要だよね。 - 発声練習

(中略は引用時)


それはそれで飲み会嫌いな人にとっては助かると思うのですが、私を含むいくらかの人達が新大学院生のためのビール講座について引っかかりを覚えたのはそういう点ではないのです。(以下、強調は引用時)

大学院入学おめでとう!これから研究に、研究に、研究にがんばってね。

でも、毎日研究だとアレなときがあるよね。だから、新大学院生が楽しい研究生活を送るために必要不可欠のツールであるビールについて簡単に解説します。

新大学院生のためのビール講座 - 発声練習

まあ、id:trivialさんの人はしばしば必要でないものを必要と言い、不可欠でないものを不可欠と言う - 一本足の蛸という記事をもう一度お読み下さいと言えばそれで済む話なのかもしれませんが、改めて明記しておきますと、ビール(を含む酒類)は新大学院生が楽しい研究生活を送るために必要不可欠のツールではありません。現に、私は院生時代に師匠と飲みに行ったこと(師匠は酒を飲み私はソフトドリンクを飲む、という状況も含めて)はありませんが、師匠との関係は良好だったと認識していますし、研究室のセミナーもとても楽しいものでした。
院生時代のid:next49さんご自身、もしくはお酒を飲まれる院生の方々にとってビール(酒類)が良好なコミュニケーションに必要不可欠のツールである、という表現であればともかく(本当に「必要不可欠」かどうかは別の話として)、それが全ての院生に関して真理であるかのような書き方が問題だったのだと私は思います。
先日の記事でも書きましたが、私はお酒は飲みませんがお酒を飲むという行為自体や宴席自体は決して嫌いな方ではありません。そんな私でも引っかかりを覚えたぐらいですから、お酒も宴席も好きではない方が感じた引っかかりは恐らく相当なものだったのではないでしょうか。


ただまぁ、「ビールが必要不可欠」という表現にこれだけ引っかかりを覚える要因の一つとして、「お酒を飲まない」と言っただけで協調性が無いとか社会不適格者であるかのような扱いを受けたり(←残念ながら体験談)、飲み会の席で友人と喧嘩になったり(←これも体験談)、飲み会に参加しづらくなったり(←これは幸いまだ体験談ではありません)しがちであるという社会情勢が大いに関係していると思いますので、冒頭に引用した行為も間接的には件の問題の解消に効果的だろうとも思います。


一応世の中には表現の自由というものがありますので、id:next49さんが本気で「ビールは新大学院生が楽しい研究生活を送るために必要不可欠のツール」と信じておられるのでしたらそう表明されることを止めることなどできませんが(聞いた側が鬱陶しく感じることを止められないのと同様に)、多分id:next49さんはそこまで本気なわけではなく、単に自分が好きなビールを新大学院生(を含む多くの方々)に勧めたいという思いからちょっと筆が滑っただけなのだろうと推測します。
ただ、個人的にはあまり好きな言葉ではありませんが世の中には「アルハラ」「パワハラ」という言葉もありますし、id:next49さんは院生より立場が上なのですから、いらぬ面倒を起こさないためにも表現に気を遣われた方がご自身の利益にもなるのではないかな、と思ってお節介をさせていただきました。