車椅子少女の話、続編

先日書いた記事(車椅子少女の中学進学の話 - Marriage Theorem 新居)のコメント欄でid:arakik10さんからご紹介頂いた記事を読みました。
車いす少女の中学入学を拒否した事件についてメモ - 情報の海の漂流者
車いすの少女の中学入学を拒否した事件についてメモ2 - 情報の海の漂流者
色々と勉強になる記事でした。準備期間や予算規模に関する記述もさることながら、一番はっとさせられたのは以下の部分。

現時点で受け入れ態勢が整ってないならば、入学拒否は仕方が無い。
少女の下半身不随のレベルによってはトイレの世話までしなければいけない可能性があるが、クラスメイトの善意にそこまで頼っていいものは疑問が残る。
火事や地震でも起きたら大変危険でもある。

車いす少女の中学入学を拒否した事件についてメモ - 情報の海の漂流者

災害時の対応については私も気にしていましたが、トイレに関しては完全に頭から抜けていました。
災害はたまにしか起こらないものですが、トイレは日常的な問題ですからね・・・思春期の少女が(いや、思春期でなくても及び腰にはなると思いますが、特に、ということ)同年代の友人にトイレの世話をしてもらったり、逆にトイレの世話をしたりというのはかなりの覚悟を要することなのではないかと推測します。(勿論私は思春期の少女だった経験がありませんので、本当のところどの程度の覚悟が必要なのかはわかりませんが・・・)


あと、件の記事にも書いてありますし上述のコメントでもご指摘頂いたのですが、少女が入学を勧められている養護学校には英語、社会、理科の授業が無いそうです。
先日の記事では

あと、「学ぶ権利」という言葉が挙げられていますが、学ぶこと自体は養護学校でも可能なはずで(それができない養護学校だとしたらそのこと自体が大問題)、今回問題となっているのは「学ぶ権利」そのものではなく、別の何かであると思います。

車椅子少女の中学進学の話 - Marriage Theorem 新居

と書きましたが、どうも「学ぶ権利」自体についても少々雲行きが怪しい模様です。
養護学校としては、様々な種類や程度の障害を抱えた生徒に対応しなければならないので、カリキュラムを組むのが難しいというのは理解できることではありますが、それにしても全く授業が無いのは厳しいですね・・・


とここまで書いて、高校だったら通信制という選択肢があるけれども中学はどうなんだろうと思ってちょっと調べてみたんですが、こちらのページによると

さて、不登校生徒などの受け皿として、夜間中学(通信制中学)を活用しようという動きがあるようであるが、夜間中学・通信制中学などの入学案内を見る限り、義務教育期間中(15歳以下)の不登校児童生徒は、夜間中学や通信制中学に在籍できないようである。

夜間中学・通信制中学

ということで、件の少女が通信制中学の授業を受けるというのは現状では難しいようです。せめて英語と社会と理科だけでもそちらで賄えればよいかなと思ったんですが。
今回の少女のような「友達と一緒の中学に通いたい」という願いに対しては通信制中学の存在も助けにはなりませんが、一般的な「学ぶ権利」の問題としては、上記のような養護学校のカリキュラムの問題を考慮すると、せめて通学困難児だけでも通信制中学への入学や科目ごとの履修を可能にするというのは極めて意義深いのではないかと思います。


なお、先日書いた記事で気にしていた準備期間の件ですが、どうやら去年から学校見学や話し合いなどの準備は進められていたようです。
ただ、予算面も含めて本当に問題が山積みだったようなので、それこそ募金などの選択肢も考慮に入れるとしたらもう少し早く動けていればよかったかもしれませんね。