大学と、「先生」ではなく「先輩」からの学び
学生は教授の研究のために授業料を払っているわけではないという記事(より正確には、そこで引用されている新聞記事)を読んで。
あまり長々と書いている時間がないので手短に書きますが、大学を出て働くようになった後、仕事のやり方を指導してくれる周囲の先輩たちは小中高校や塾・予備校の先生のように丁寧かつ分り易く仕事を教えてくれるわけではありません。というよりそんなことは無理です。その先輩たちは自分の仕事のプロであって教育のプロではないのですから。
で、その点では大学の教員も似たようなもので、基本的に自らの専門分野という「自分の仕事」のプロではあっても、教育を行うための訓練を積んできたわけではありません。
大学は、少なくとも一昔前までは、先生に「教えてもらう」場所ではなく自ら学ぶための場所だったはずです。大学に入って誰も自分に「教えて」くれないことに衝撃を受けた新入生は、大学在学中に自ら学ぶという姿勢を身に付けざるを得ません。そして、そのような学びに対する姿勢や意識の転換は、実は大学を出た後の人生において気付かないうちに大きく役立っていたのではないか、と思います。
ひょっとすると、「大学の授業は役に立たない」などと揶揄される大学での教育において最も役に立つ事柄は、このような学びに対する姿勢の転換なのかもしれません。もし、大学までもが「教えてもらう」場所になってしまったとしたら・・・(まだ手遅れでないことを願います)。