数学セミナー12月号

数学セミナー 2009年 12月号 [雑誌]

数学セミナー 2009年 12月号 [雑誌]

某コーナーに原稿を寄せた関係で発売日より1日早く入手できました。


12月号の特集は「計算量の現在」という表題で、暗号理論や量子計算にまつわるトピックも含めかなり読み応えのある内容になっていると思います。ただ、一部に「NP問題は難しい」(←「NP完全問題は」ではなく)というありがちな誤解*1を助長しかねない(私の感覚では)記述が見られたのが個人的に残念でした。(勿論原稿を書かれたご本人の理解は確かでしょうし、「数学的に厳密な表現ではない」と断りは入れてあるのですが、厳密でないだけでなく紛らわしい表現になってしまっているように感じられました。)


あと、誌面にて「クラインの壺」の広告を見つけて噴き出しそうになりました。
「この壺は機械的には製造不可能で、日本の高度な専門技術者の手作業で製造しております。」とのことです。低次元(2次元)だけでなく高次元にも対応済みとは恐るべしメイド・イン・ジャパン。

*1:クラスPだってNPの一部なので、全てのNP問題が難しいというわけではない