大学入試センター試験の科目「情報関係基礎」が色々と興味深い件

先日の大学入試センター試験の数学で何か面白い問題でも出たかなぁと思って問題速報を見てみたら、「情報関係基礎」という科目を見つけました(問題用紙へのリンク)。私が受験生だった頃にはなかった科目なのですが、中身を見てみると興味深い問題が多かったので少しご紹介します。


第1問の問1は、情報系受験数学(なんて分類が本当にあるのか知りませんが)の王道であるn進数→m進数の変換問題。また、小問の一つとして、16進数に絡めた文字コードっぽい切り口の問題があって目を引かれました。


第1問の問2は、学校のウェブサイト公開のためにウェブサーバを準備する、という設定での穴埋め問題。最近の高校生はこういうことも勉強するんですねぇ・・・。時代を感じます。なお、個人的にはちゃんとセキュリティに関する小問も用意されているのが素晴らしいと思いました。


第1問の問3は、仮想的な図形描画プログラムの挙動を予測するお話。個人的に図形にはあまり興味が無いので斜め読みしかしていません・・・。


第2問は、二人で対戦する札取りゲームのお話。この手のゲームの総称って何と言うんでしたっけ?ルールの記述に、正整数が互いに素であるorないという整数論っぽい性質が登場するので整数論方面に問題が進んでいくのかと思いきや、ゲームの状態をグラフで記述し始め、最終的にグラフのマッチング(そういう呼び名は出てきませんが)まで導入してかなり一般的な議論へ到達したので意表を突かれました。問題作った方はきっと楽しみながら作ったんだろうなぁと思いました。


第3問(選択)は、アラビア数字による数の表記を漢数字による表記に変換するプログラムのお話。題材が身近なこともあり、取り組みやすい問題ではないかと思います。もし自分が受験生でこの問題に出会ったら、多分ワクワクしながら解いただろうなと思います。


第4問(選択)は、仮想的な表計算ソフトを用いてカレンダーを作るお話。その手のソフトの扱いに慣れているかどうかの勝負かと思いきや、最後には閏年の処理に関する小問まで登場したのにはびっくりしました。良い問題だと思います。


問題は以上です。それにしても今の大学受験生は、こんなに面白い問題をセンター試験で解くんですねぇ。受験生本人は面白いと感じている余裕が無いかもしれませんが、こういう出題はとても良い傾向ではないかと思います。来年の問題にも期待したいと思います。