数学

「暗号及び情報セキュリティと数学の相関ワークショップ」のお知らせ

今度の2月24日(水)に「暗号及び情報セキュリティと数学の相関ワークショップ」という催しを企んでいますので、こちらでもお知らせしておきます。内容はサーベイ講演とポスターセッションの2本立てです。 サーベイ講演では主に数学分野の方向けとして、暗号…

ちょっとした問題 - 解説編 -

先日のちょっとした問題 - 出題編 -の解説です。必然的にネタバレなので、まだ見たくない方はお気をつけ下さい。 (以下、ネタバレ回避の改行) . . . . . . . . . .

ちょっとした問題 - 出題編 -

某所で話題にしたちょっとした問題をこちらでも紹介してみます。 (難易度:ふつう) 29292929・・・と、「29」をいくつか繋げてできる数を考えます。この数が29の二乗の倍数になることはあるでしょうか?もしあるとしたら、そのような最も小さい数は、「29…

第29回シュプリンガー数学コンテストU21

某所で第29回シュプリンガー数学コンテストU21 開催のお知らせというのを見かけたのでお知らせしておきます。 「日本全国 20 歳以下の青少年を対象」ということなので、ぎりぎり0x20歳以下なid:MarriageTheoremもリンク先の問題を眺めてみました。 問題1は…

『フェルマーの最終定理 - 萌えて愉しむ数学最大の難問 -』(PHP研究所)

あ・・・ありのまま(中略)「『ワールド・フィギュアスケート40』を探しに本屋へ行ったと思ったら気が付いたらこんなものを買っていた」な・・・何を言っているのかわか(後略)フェルマーの最終定理作者: 中村亨,三嶋くるみ出版社/メーカー: PHP研究所発売…

とあるブログ記事への反応(その1)

「異分野の成果があなたの分野の発展に役立った事例はありますか?」というブログ記事にて、科学の基礎研究の必要性・重要性を訴えるための一つの方策として、ある分野の基礎研究成果が後に他の分野の(思いもよらない)発展の礎となった事例が募集されてい…

数学セミナー12月号

数学セミナー 2009年 12月号 [雑誌]出版社/メーカー: 日本評論社発売日: 2009/11/12メディア: 雑誌購入: 4人 クリック: 47回この商品を含むブログ (2件) を見る某コーナーに原稿を寄せた関係で発売日より1日早く入手できました。 12月号の特集は「計算量の…

「係数の自由度と同じ個数のデータがあれば多項式が一意に決まる」とは限らない話

あるシンポジウムのある発表である方が、「の形をした(の)多項式は勝手に選んだn+m点での値によって一意に定まる」という趣旨の発言を(さらっと)されていたのですが、一般にはそういうことは言えません(発表者ご本人には指摘済み)。 例えば、、とする…

『数学セミナー』2009年10月号

数学セミナー 2009年 10月号 [雑誌]出版社/メーカー: 日本評論社発売日: 2009/09/12メディア: 雑誌購入: 3人 クリック: 42回この商品を含むブログ (3件) を見る自分と同世代の良く知っている数学者が4人も原稿を書いている号というのは記憶にありません。多…

「応用されない学問こそ王道」という意見について

どこだったか忘れましたが、某所で「学問は応用がないようなものこそ王道、応用があるようなものは傍流」といった趣旨の発言を見かけて気になったので一言。 数学における有名な未解決問題にリーマン予想があります。所謂「百万ドル問題」(クレイ数学研究所…

大学の数学科と「実践的教育」

先日の記事(大学で実践的教育?無茶ですよ。)に頂いたikさんのコメントにお返事してみます。 (以下、コメントの抜粋) 即戦力というのは字義通りに捉えるよりも 確率論専攻者が金融に高待遇で就職するとか、そういう感じのことじゃないですか。教育する際…

「漢字ホモロジー群」リターンズ

仕事の関係でいろいろ検索していたときに、偶然、漢字カードバトルゲーム「熟語マスターズ」なるものにヒットしました。何でも、画数の多い漢字ほど強いのだそうで。 これを見ていて、以前考えていた漢字ホモロジー群(漢字に穴がいくつ開いているか)という…

数学者のブログをあぶり出す生々しい検索語

数学者とかそれっぽい方のはてなダイアリーを探すために、数学の分野の別にあまり依存しない検索語は何かと考えた結果、「数学 リジェクト」で検索をかけるというのは我ながらいかがなものかと思わなくもないですが、それで実際にいくつか目的のダイアリーが…

『この定理が美しい』、実は思ったより売れていたらしい

今日買った『数学セミナー』に載っていた書泉グランデの数学書ランキング(5/16〜6/15)を見たら、何と『この定理が美しい』が5位に入っていました。 「実は読んでくれた人殆どいないんじゃ・・・」と密かに心配していたid:MarriageTheoremとしては想像を絶…

『この定理が美しい』(数学書房)

この定理が美しい作者: 数学書房編集部出版社/メーカー: 数学書房発売日: 2009/06メディア: 単行本購入: 8人 クリック: 83回この商品を含むブログ (4件) を見る帯の言葉は「数学者の眼に映る数学の美しさとは」。若手から名誉教授まで総勢20人の数学者が、数…

ダブルヘッダー

先日はセミナー発表二つ掛け持ちして合計5時間ぐらいしゃべってました。さすがに喉が少々痛いです。

前から感じていたことの裏付けが(多分)見つかった

以前何度か「数学分野でも最近は共著論文が増えてきている」というようなことを(口頭かweb上でかは忘れましたが)言ったことがあるのですが、根拠が私自身の経験と印象だけだったので少々気にしておりました。 そんな折、id:min2-flyさんの記事(第8回情報…

今日は完全数の日

いや、「今日は完全数の日」とどこかで定められているわけではないと思いますが、6と28はそれぞれ最初と2番目の完全数なんですよ。(完全数とは自身の約数を全て足すと自身の2倍になる数。例えば28の約数は1,2,4,7,14,28で総和は56 = 28×2) だからどうだ、…

ドイツ出張ミニレポ

私にとっての出張は、帰還した後でやる気が増す出張と気が抜ける出張の二通りに分類されるのですが、今回は前者だったので良い出張だったのではないかと思います。 ところで、現地で土産を物色しに本屋へ行ったのですが、2軒入った本屋の2軒ともなぜか「Ma…

「全ては5」の話

えー、折角下の話でid:T-3donさんを呼び寄せてみたので、遅ればせながら全ては5にして、5である。 - みつどん曇天日記についての与太話でも提供してみます。 id:T-3donさんが件の記事で提唱している「全ては5」という命題については、その筋の方には有名な…

血液型性格判断における第三勢力?(追記あり)

先日書店で偶然見かけた、「裏」血液型がどーこーとか言っている本についてAmazonで内容紹介を調べてみたら 同じ血液型でも親の血液型の違いで性格がまるっきり変わる。本当の自分の姿がわかる全40タイプを徹底分析。 と書いてあったのですが、この主張から…

"fortunate leader"

最近はあまり仮名漢字変換ソフトの変換誤りネタは書かないようにしていたのですが、さっき助成金の応募書類を書いていて「たこうしきかん」が「多幸指揮官」になったのはあんまりだと思ったのでメモ。

連続体濃度はアレフ何なのかなぁという疑問

http://d.hatena.ne.jp/buyobuyo/20090503/p1という記事を読んでいて、そういえば可算無限濃度と連続体濃度の間には高々いくつまでしか濃度の種類がない、みたいな結果って得られているのかなぁ、と思いながら晩御飯食べて戻ってきたらid:gerlingさんが同じ…

世の中、何がどう役立つかなんてわかりませんってば

id:kururu_goedelさんの記事より。 とりあえず、私たちは世界中の数少ない誰かが喜ぶ「面白さ」というのと、工業製品などに応用されてそれなりの人数の人が恩恵を蒙る「実用性」というのを違う軸にとって考えることが多いです。そして、「実用性」がないとい…

名は体を表わす

real(現実)という概念がだいぶ客観的であるのとは対照的に、natural(自然)という概念、「何が自然であるか」という判断は多分に主観的なものです。 一方、数学でreal number(実数)と言えば意味は一通りに定まりますが(実数の定義として有名なものは何…

数学者の知られざる特徴・・・なのかなぁ

私が観測した範囲(私自身を含む)では、どうも数学者というのはお金の勘定が苦手な傾向にあるように感じられて仕方がありません。 計算自体は世間一般の平均より得意なはずなんですが、金額の計算になると途端に・・・

ですよねー

アメリカでは数学者が「Best Job」なんだそうな - Marriage Theorem 新居の件で、id:kururu_goedelさんから反応いただきました。ありがとうございます。 これは私にはたちの悪い冗談にしか思えません。 (引用時中略) アカデミア以外での仕事も含まれている…

今日の研究成果

日付が変わったので正確には昨日のことですが。 以前から、もし『数学セミナー』の某コーナーの出題を頼まれたとしたらどんな問題を出そうか、という杞憂を抱いていたのですが、一つ問題に使えそうなネタに遭遇しました。 その内容は・・・もし杞憂が現実に…

"Journal of Inequalities in Pure and Applied Mathematics"

やや旧聞に属しますが、岡山県立倉敷古城池高校の内田康晴先生が相加相乗平均不等式の新証明を発見した件について。 証明の発表先の論文誌はJournal of Inequalities in Pure and Applied Mathematicsという雑誌だそうで。 私は今までこの雑誌を知りませんで…

アメリカでは数学者が「Best Job」なんだそうな

Doing the Math to Find the Good Jobs (The Wall Street Journal 2009年1月6日の記事)どれどれと思い、英文のサイトをつらつらと眺めてみました。今アメリカでは数学者がBest Jobsの一番なんですね。スゴイ!(細かい内容については、ご自分でお読みくださ…